株式会社アマナは、2020年5月27日(水)に、企業のマーケティング支援からソーシャルメディア運用まで幅広く手がけ、「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションにするトライバルメディアハウスと「コミュニティマーケティング」をテーマにしたオンラインセミナーを開催いたしました。

イベント概要     

近年、オンラインコミュニティが注目され、商品やブランドをファンと共創したり熱量を高めたりするために活用する企業が増えている一方、「コミュニティ運用の目的が明確でない」「参加者の熱量を保つことができない」「どうやって効果検証すればよいのかわからない」といった相談も増えています。

本ウェビナーは、「熱狂顧客戦略」の著者であるトライバルメディアハウス(https://www.tribalmedia.co.jp/)の高橋遼氏と、コミュニティマーケティングに特化したアマナのサービス「POOL(プール)」を立ち上げた新居祐介氏との対談を中心に、コミュニティマーケティングの戦略の立て方から参加者の心を惹きつけるコンテンツの作り方、効果検証までをお伝えいたします。

本ウェビナーをきっかけに、従来型のマーケティングから、顧客に共感され、顧客と一緒に取り組むマーケティングの可能性を感じていただければと考えています。

Withコロナにおけるコミュニティのあり方

はじめに、高橋氏より「コミュニティマーケティングの 戦略と実践」を語っていただきました。

高橋 遼

株式会社トライバルメディアハウス チーフコミュニケーションデザイナー1983年生まれ、鳥取県出身。広告会社を経て、 2010年トライバルメディアハウスに入社。企業のマーケティング戦略構築およびプロモーションプランニング 、実行に従事。これまでに大手航空会社、ファッションブランド、 スポーツブランド、化粧品ブランド、飲料メーカーなどを担当。 著書に『熱狂顧客戦略』。


高橋氏『“買ってもらうためにいかに魅力を伝えるか”から、それに加えて“買ってもらってからいかに価値を高めるか”がWithコロナにおけるブランドと顧客の関係において重要になってくると思います。』

その上で、高橋氏は「企業はコミュニティに取り組むべきか?」という問いを設定しました。

高橋氏『ブランドの中にコミュニティを作るという発想もありますが、企業が社会というコミュニティの中で存続していくためにどう振る舞うか?という視点が非常に重要であり、オンラインコミュニティはその手段の一つなのです。』

「ブランドの中のコミュニティ」から「コミュニティの中のブランド」へ。よりユーザーを理解しながらコミュニティの中にブランドの在り方を模索する時代であるということですね。

ブランドの持つ文脈を探る旅に出る   

続いて、高橋氏はコミュニティの中にブランドが内包されているインスタグラムのハッシュタグの事例を紹介しました。

#しまパト→しまむらグループ店舗での掘り出し物を求めて、日々お買い物(パトロール)をしている「しまパト隊員」たち。
#ユニジョ→ユニクロのファッションを楽しむ女性
#ヤマハが美しい→ヤマハのバイクで行った先々の風景とバイク
#トミカ収納→子供が買うたくさんトミカをいかにして収納するかという主婦のお役立ち情報
#ソニー一派→ソニーの製品を買うファン。Canonは#キャノン“党”で一派という表現にも個性が出ている

高橋氏『これらは企業がブランドとして自ら発信したものではなく、ユーザー発信で広がっている事例で、上記のようにブランドの周りにどんなハッシュタグがあるのか?を知ることが、ブランドの周りにいるファンを理解するヒントになります。』

その上で、高橋氏はクライアントと実際に行っているコミュニティマーケティングの戦略を3つのステップに分けて、それぞれについてお話いただきました。

1.ブランドの文脈を理解する       

「なぜブランドを好きになったか?」という理由をユーザーに聞いてもなかなか言葉にできないケースが多いという。

高橋氏『どのような体験を通じてファンになったのか?という経験を聞くことでユーザーの話に耳を傾け、そこからなぜブランドを好きになっていったのか?というWHYをマーケターが考察していくプロセスが重要であります。』

このプロセスを間違えるとなぜ好きになったかうまく話せないユーザーとそれを引き出したいマーケターの間に溝は埋まらないですよね。

高橋氏『皆さんのブランドが持っている文脈を理解することが、コミュニティの戦略を形づくる上でもっとも重要なプロセスなのです。』

<熱狂プロセスの逆引きで考える>

2.熱狂が生まれる体験をデザインする          

続いて、なぜブランドを好きになったか?がわかったら、次は関与度と文脈を掛け合わせて考えていくと良いという。ここでは、ランニングシューズの事例を紹介しました。

高橋氏『「大会で入賞したい」と「自分のできる範囲のペースで走りたい」のように関与には高低差があり、「新商品のシューズを買ってみたい」という製品への思いやこだわりが文脈になる場合もあれば、「ランニング仲間をつくりたい」のように自分の周りのランニング仲間との関わりが文脈になるケースもあります。』

「新商品のシューズが欲しい」顧客に対して、「一緒に走ろう」のようなコミュニケーションや施策をしても見向きもされない可能性が高いですよね。

3.成果ポイントを定義する            

最後に、マーケティングファネルにおいてどの部分で成果を出したいのか?という問いに対して、

高橋氏『「コミュニティやファンイベントの成果ポイントはどこにしますか?」という質問をクライアント様からいただくが、「マーケティングファネルのどの部分で成果を出したいか?」からコミュニティやファンイベントで行うことを決めることで解決されるのではないかとお答えしています。』

その上で、以下のスライドを展開していただきました。

高橋氏『インサイトの探索から商品開発をするのか、プロモーションのメッセージを開発するのかなど、目的に立ち返ってコミュニティやファンイベントを行うことで、実施後の振り返りもしやすくなります。』

ブランドと顧客の「文脈の理解」に沿って、コミュニティマーケティングの戦略と実践の具体的なステップを紹介していただきました。

高橋氏『コロナの状況になって感じたこととして、今、支援されているブランドは平常時に応援されていたブランドだと思います。そのため、ブランドは生活者一人ひとり、「誰かの思い出」になっているかが大切です。』と話を締め括りました。

※後編、新居氏の「コミュニティの活性化」のレポートはこちら

※ウェビナーQ&Aのレポートはこちら